2023年6月8日午後、市ヶ谷アルカディアでGKB48主催大学広報セミナーを行いました。
 講師に大学ジャーナリストの石渡嶺司さんをお招きし、前半の講演では、大学のプレスリリース発信事例を紹介しながら、メディアからみた大学広報や期待、テレビ番組の取材実情、募集広報へのアドバイス、また危機広報対応について、具体的な大学事例を踏まえ、お話いただきました。
後半のディスカッションではグループに分かれ、広報経験豊かなファシリテーターの下、メディアリレーションやインナー広報、ブランディング構築について、情報交換・意見交換がなされました。

 
 参加者は広報新任者・初心者からベテラン、管理者まで、所属大学も文系・医療系学部の大学、エリアも東北から沖縄まで、様々なプロフィールの方々でしたが、皆さん、積極的にプログラムに参加していただきました。特にセミナー後、皆さんが個別に大学のプレスリリースについてのアドバイスをいただく姿も印象的でした。アフターの懇親会でも、セミナーの続きで積極的に広報に関する情報交換が行われました。
 参加者からは、「講演でのプレスリリースの具体的な発信方法やメディア側の本音が非常に参考になった、今後の広報施策のヒントになる」「後半の参加者とのディスカッションが楽しく、有意義だった」「他大学との情報交換は貴重な機会だった」という感想が寄せられ、短い時間ながらも充実したセミナーとなりました(参加者感想や、ディスカッションの様子については後述参照)。
 GKBでは横のつながりも大事にしていますが、こうしたイベントを機に情報交換が続いていくことを事務局としては切に願っております。講師の石渡さん、ファシリテーターの皆さん、運営にご協力いただいた方々、そして参加者の皆さん、ありがとうございました。(参加者 約30名)

 
 なお石渡嶺司さんの講演については、オンデマンドで視聴可能です(有料)。
 ⇒【見逃し配信】GKB48大学広報オンラインセミナー2023年度第1回

講師 大学ジャーナリスト 石渡嶺司さん
講演を聞く参加者

 

グループディスカッションでの情報共有(抜粋)

グループディスカッションの後、各グループのファシリテーターにより、話し合った内容に関して共有していただきました。

●情報収集方法・内部広報

・学内で積極的にヒアリングを行う。浸透してくると先生が競って情報提供してくれるようになる。
・教員の情報を、大学が組織として発信するメリットを広報担当が説明することも必要。
・学内より情報提供する仕組みをつくり、一部からの露出に偏らないよう工夫をしている。
・広報担当による情報収集のためのパトロールのような活動は非常に大事だが、加えてトップの方針を踏まえたうえで学内外への発信が必要。
・内部広報としてデジタルサイネージの利用など、アナログの活用も有効。

●プレスリリース

・リリース送付方法として、FAXは読まれない恐れがあるので、メールがよい。
・メールアドレスの収集方法は、メディアとの接触の際の名刺交換をはじめ、各メディアに電話して教育関係の記者につないでいただき教えていただく、SNSで発信している記者に直接アプローチする方法、記者クラブに出向き、幹事社に相談する方法もある。

●メディアリレーション

・(講演にあったように)情報源として、自学がメディア(記者)に信頼されるリストに入るようになることが大事。
・特定の記者と直接つながり、ニーズにあった情報提供することで掲載してもらうというテクニックもある。

●ブランディング構築
・SNS発信方法として、組織の発信にプラスして、リテラシーを踏まえたうえでの個人の発信でも大学を盛り上げていくような取り組み方法もある。
・大学名のイメージを、色やグラフィック、漢字など、視覚的な要素として、印象付けるような工夫は面白い。ただし、学内の体制が変わっても方針が変わらないようにVIやCIなどで決定することも大事。
・広報をする際に、イベント名だけで何をやるのか、副題をつけるなどして想定できるような工夫も必要。特定のイベントを継続することもブランディングにつながる。

5つのグループに分かれてディスカッション

参加者感想(抜粋)

●講演について

・講演内容が、勉強になるだけでなく、今後の具体的な施策のヒントにもなるトピックスが多かったので、本学の広報にしっかり活用いきたい。
・プレスリリース記事をどのようにメディアに発信すればよいか、具体的な方法を理解することができ、大変参考になりました。
・プレスリリースについて、独学では確信をもてなかった部分(素材は大中小あってよい、メディア側の本音など)を裏付けられたことが大変収穫でした。安心して業務を進められ、学内関係者を説得しやすくなりました。
・資料配布された各大学のプレスリリースは、とても面白いものが多く、それもまた勉強になりました。リリースの反響なども聞いてみたかったです!

ディスカッションについて

・他大学の広報担当者と意見交換する中で、本学の広報立ち位置が見えてきて、とても勉強になりました。石渡さんのお話も、ありのままメディアから見た大学像が伝わってきて、参考になりました。
・他大学との情報交換の機会が少ないため、貴重な情報収集の場となり、有意義な時間でした。
・ディスカッションは少し時間が短かったと思います。場所の制約もありますので仕方ないですが。
・広報の担当部署ではないため直接に関わることはできませんが、改めて広報の必要性、学内での課題は各大学共通していることが分かりました。大学のブランディング、学生募集のため広報のあり方、そのためのメディアリレーションの構築、インナーブランディングの醸成など、大学職員としての視野が拡がるきっかけとなりました。